Natsuko's Diary Vol.7
食欲の秋、コペンハーゲンでローカルフードを楽しむ3日間
ノルディック スリープは、デンマーク、コペンハーゲンを拠点に世界で活躍中の
モデル ナツコさんがお届けする、北欧のカルチャーとノルディック スリープにまつわる日記の連載をお届けします。
ちょうどデンマークの夏も終わり肌寒くなってきた9月の初め頃、日本から友人が訪ねてきた。
コペンハーゲンだけでなく他の国も周遊するとのことで、今回は3日間だけの滞在。
どこを案内するか悩ましい。
暖かい季節だと何もしなくとも公園や水辺に座っているだけで楽しめる場所がたくさんあるのだが、
雨や曇りの日が多くなってくる秋頃はできることが限られてくる。
友人は特に芸術関連にも興味が無いため、今回は食を中心に楽しむことにした。
デンマークは全体的に物価が高いこともあるので、いつもなら迷わず、
他のレストランに行かずとも奮発して一度だけニューノルディッククイジンを体験することを勧めるのだが、
友人は特別な時に行くレストランよりも、カジュアルで日常的に行くような場所に行ってみたいとのことだった。
それはそれでオススメの場所がたくさんある。
なぜならコペンハーゲンのホットドッグやハンバーガー、ラーメンといったカジュアルな料理のクオリティはかなり高いからだ。
しかもどのジャンルに置いても、北欧ならではのテイストが入っているから試す価値がある。
最初に行ったのは “Gasoline Grill” 。
その名の通りもともとガスステーションだった場所をそのまま活用しているバーガースタンド。
今回行ったのは駅のホームに店を構えているヴェスタポートステーション店。
使っている食材は全てオーガニック。
毎朝牛肉を挽き、その日のうちに全て売り切るようにしているそうで、
遅めに行くと品切れなこともあるくらい鮮度には気を使っているそうだ。
店が駅のホームにあるためイートインがないので、近くの湖のほとりで食べることに。
一口食べた瞬間に、鮮度の高さとハンバーガーの概念を超えたクオリティの高さを感じられ、
レストランで食べる美味しいハンバーグを思い出す。
日本から到着したばかりの友人は疲れていたこともあり、その日の夜は家で食事をすることに。
ゲストを招き家で食事をすることこそ、もっともデンマークらしい行事であるように思う。
昼過ぎから営業しているナチュラルワインバー “Pompette” でワインを調達し、
世界的に有名なレストランnomaの René Redzepiと
サンフランシスコで人気のベーカー Richard Hartによって昨年オープンしたパン屋 “Hart Bageri” で、
異常に美味しいソーセージのクロワッサンと、“Helge's Cheese” で意外と美味しいデンマークチーズを何種類か購入して帰宅。
友人はHart Bageriのソーセージにとても感動したようだったので、
翌朝オススメのホットドッグ屋 “John’s hotdog deli” に行くことに。
ここのソーセージは特にうたっていないもののオーガニックで作られていて、
定番からオリジナルフレーバーの5,6種類のソーセージと、
自由にトッピングできる何種類もの野菜で作られたピクルスが定評を得ている。
デンマークでは特に表記はされていなくても、オーガニック食材を用いて作られていることが日常茶飯事だったりするので、
いわゆるジャンクフードというカテゴリーのものがジャンクフードでもなかったりするのだ。
John’s hotdog deliでどのソーセージにしようか迷っていたら、お店の人がマッシュルームソーセージをオススメしてくれた。
またもや良い意味で期待を裏切られる、ソーセージの枠を超えたおいしさに友人と二人で感動した。
その日は奇跡的な快晴だった。
またすぐに曇ったり雨が降ってしまう可能性があるので、
晴れていれば有無を言わずに太陽の下で過ごすのがデンマーク的な過ごし方。
色々と連れて行きたい場所はあるが、コペンハーゲンで一番お気に入りの場所 “La Banchina” へ行くことに。
ここは朝から営業しているので、ブレックファストから軽い食事、カフェやナチュラルワインとあらゆる用途で使える上に、
水辺に伸びたデッキに座って日光浴ができる。
中心部から少し離れているのでゆったりと過ごせ、
小さなサウナボックスが併設されているので水に飛び込んだりサウナで温まったりもできる。
またサンセットを見るのにも良い場所で、コペンハーゲンらしさが詰まった場所なのだ。
寒い季節でも太陽さえ出ていれば水着でくつろいでいる人や、水に飛び込む人を見かけるのも北欧ならではだ。
サンセットまで見届けたくてずっと外に座っていると、気づけば冬並みに寒くなっていた。
体が冷えきってしまったところで、“Slurp Ramen” にラーメンを食べに行くことに。
オーナーのPhilippは東京のミシュラン一つ星ラーメン屋 “不如帰” で働いた経験を持ち、
そこからインスパイアされ独自の味を表現している。
日本とローカルの可能な限りのオーガニック食材を使い、麺や出汁、
餃子のタレにいたるまでSlurp Ramenでしか食べられない味だ。
オススメは魚介出汁しの塩ラーメンと、ベジタリアン向けのきのこ醤油ベース。
オープンしてから人気が絶えないので、まだまだ外に列ができていることも。
最終日はコペンハーゲンの人気な観光地でもある、独立した自治区クリスティアニア内にあるヴェジタリアンカフェでランチ。
もちろんこちらも全てオーガニック。
ここのカフェはボランティアで運営されているため、その日によってメニューの内容が変わる。
この日はグリーンカレーに、アジアンヌードルと何種類かのサラダとスープが用意されていた。
肉や魚が入ってない物足りなさはなく、野菜だけでこれだけ深みのある料理が食べれたら、
ヴェジタリアンになれるかもしれない、と思えるほどのボリューム感だ。
クリスティアニアを一通り散策し、日本へ持って帰るお土産を買いたいとのことだったので、
クリスティアニアの国旗のステッカーやライターなどをばらまき用に購入することをお勧めした。
美味しいチョコレートやコーヒー豆など、他にもお勧めはたくさんあるが、
なにせ物価が高いのでクリスティアニアグッズはばらまき用にちょうど良い価格帯なのだ。
最後のディナーには、やはり北欧の家具を見てもらいたいと思い、
アンティーク家具を集めるのが趣味のオーナーの店 “Admiralgade 26” へ行った。
まるでだれかの家にお邪魔したような心地よい雰囲気でありながらも、
一つ一つの家具やアートにこだわりが見え、お店の雰囲気を引き立ててくれる。
洗練されたナチュラルワインに気の利いたアラカルトメニューは、
料理や飲み物に集中しすぎることなく、友人と寛いで会話を楽しむのにも最適なお店だ。
どの道を通って帰るかということも大切なこと。
少し遠回りしてでも素敵な夜景を見ながら帰りたい。
可能な限り水辺を通って帰りたい。
立ち並ぶ家から溢れる暖色の灯りが、水に反射して幻想的な世界を映し出す。
コペンハーゲンの夜景を見ることも、夕食に出かけた時のお楽しみの一つなのだ。
家に帰ってきてからも、くつろぐことを楽しみたい。
照明を落としてロウソクに火をつけ、音楽をかけてアロマを焚き、
広げたソファベッドに何重にも重ねたクッションとコンフォートUに身を投げる。
この時間を共有できる友人がいることで、至福の時間をさらに引き立ててくれるのだ。
- NatsukoさんのRelax Item
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ノルディックスリープ コンフォートU
ノルディックスリープ ピロー ミディアムロー
- Natsuko Natsuyama
- 東京で数年間のモデル活動後、2014年から拠点を海外に移す。
バンコク、シンガポール、上海、NY、ミラノ、LA、ケープタウン、ベルリンと次々と住む場所、仕事をする場所を変えていき、ノマドスタイルとモデル業の両立を実現。
2017年からコペンハーゲンと東京をベースに「旅」と「北欧」の魅力を伝えるライターとしても活動している。
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